2004年度 アイドルトーク 02

 

1月号 「○か×か

「○×クイズ」の「×」をみなさんはなんと読みますか。バツですか、ペケですか。関西ではペケ、関東ではバツということが多いようですが、他にも読み方があるのでしょうか。

バツは「バッテン」が元になっていて、「罰点」と漢字で書きます。ものの本によれば、すでに江戸時代ごろには使われていたと言われています。一方ペケは外来語で、中国語の「不可(良くない)」から、または、マレー語の「pergi(あっちへ行け)」から変化したという説がありますが、これも江戸末期には使われていたようです。これらの言葉が、近代の学校教育の中で不正解を表す記号の「×」の読み方として結びついたと考えられています。○か×かは、一番単純な評価の方法です。

ところで、現行の学習指導要領の実施に伴い、子どもたちの学習状況を「適切に評価」しようという提案がされました。学校での教育を計画的に、そして効果的に進めるには計画・実践・評価というサイクルは大切です。また、子どもたちにとっては自分の学習状況をとらえるだけでなく、その後の学習に対しての見通しや意欲を持たせるためにも適切な評価は必要だと考えられます。

さて、日々子どもたちの答案に赤ペンを走らせるとき、どんなことが心に浮かんでくるでしょうか。授業中の顔、給食時間の声、休み時間の姿…。

機械的な採点作業として○をつけるときも×を打つときも、「罰点」や「不可」、ましてや「あっちへ行け」ではなく、子どもたち一人一人のがんばりを認め、可能性を信じる気持ちを忘れないようにしたいものです。何年か先、○も×も、子どもたちにやる気と自信を与える記号として学校で使われていたと、ものの本に記されていますように。