「チャンゴで元気」
香芝市立五位堂小学校 四年生のみなさん
総合学習で、日本や奈良県にたくさんの外国の人が住むことを知り、音楽では、世界のいろんな打楽器の写真を見た。
そして、みんなで、韓国・朝鮮のチャンゴをたたくことにした。
はじめは撥の持ち方や、拍子が難しかったが、みんなで呼吸を合わせてたたいているうち、たのしくなってきた。
子どもたちの元気にたたく様子と80台の打楽器の迫力をお楽しみいただきたい。
「ぼくも知らないうちに 差別していたのかなぁ」
香芝市立真美ヶ丘西小学校 旧四年学年集団
本校では「人権」を基盤にした教育内容の創造を、主として社会科・総合的な学習の時間を中心に取り組みを進めてきた。
その一端として、四年生での、地域社会に焦点をあて「ひと」や「もの」に出会わせ進めていった仕事・労働の学習、そしてその中で取り組んだ部落問題学習について、報告する。
輝ける未来へ向けて ~平和学習を軸として~
香芝市立鎌田小学校 岩田 幸久
戦後66年がたとうとしている今。
戦争の悲惨さを風化させないためにも、修学旅行で広島には行かないが、総合的な学習の時間のテーマを「輝ける未来へ向けて」と設定し、「戦争・平和」を中心にすえて学習を行った。
そこから自分についてや周りの人たちとの関わりを見つめなおして、中学校そして将来に向け、これからの生き方について考えていった取組などを報告する。
戦争を通して世界の現状を知る
御杖村立御杖小学校 巽 憲文
世界中で起きている様々な問題を「自分の問題」としてとらえられる子どもたちになってほしいとの願いから、「修学旅行を通して」「現代の戦争」「世界の中の矛盾」「悪魔の兵器」「戦争下の子どもたち」「歌に込められた平和への願い」と題した授業を計画し、一年間を通して取り組んだ内容を発表します。
本当のヒロシマは絵で表すほど簡単な事じゃない~広島からヒロシマへ~
橿原市立真菅北小学校 2010年度六年担任グループ
子ども達にとって、ヒロシマはどれほど近いものだろうか。
学んだ知識は、子ども達の心に残るのであろうか。
そのような事を考えながら、ヒロシマについてもう一度子ども達と出合い直すべくこの実践に取り組んだ。
六年生と学ぶ部落問題学習 ~一年間の社会科の授業に位置づけて~
平群町立平群北小学校 丸山 まり子
「部落民」とよばれる人たちの源流につながる「キヨメ」の人々の仕事や役割は、日本列島に住む民衆のくらしと深く関わり、くらしを彩ってきた。
歴史の学習のひとこまで、ちょっとした視点の転換と工夫により、無理なく、楽しく学べる学習計画を作り、子どもたちと学んだ。
みんなちがってみんないい ~金子みすゞの詩を使った全校の取組~
奈良市立富雄北小学校 西巻 あつみ
(現・奈良市立左京小学校) 長谷川 裕子
金子みすゞの詩には、人を大切に思う心や全ての命に対するやさしさがある。
そして、自分中心ではないものの見方がある。
みすゞの詩にふれてあたたかい気持ちになる、今まで気づかなかったことについて考えてみる、そんな時間を作ってみた。
みすゞの豊かな感性をみんなで共有し、「みんなちがってみんないい」という思いでそれぞれが実践した全校の取組である。
命を大切にする生活科教育(食育)をめざして
宇陀市立榛原西小学校 西田 純江
今、子どもたちは、自然の中で自由に遊び、動植物の変化や成長に触れる機会が少なくなり、動植物の生命の力強さを感じることができなくなってきている。
自然の恵みを受けて生長する野菜の姿を実際に見る中で「種から種へ」命が繋がっていることに気付かせ、私たちはその命をもらって生きていることに感謝する気持ちをもたせたいと思い取り組んだ実践を報告する。
ひとりひとりが輝く多文化共生教育
生駒市立あすか野小学校 四年教師集団
あすか野小学校における多文化共生教育の取り組みは、今年で四年目になる。
今回は、'10年度の四年生で取り組んだ内容について報告する。
四年生85名の中、ガーナにルーツを持つ児童が一名、ブラジルが一名、中国が二名、それぞれのクラスに在籍している。
ルーツの国との出会いをきっかけとして、三つの国のことを児童全員が調べ学年全体に広げていった活動を報告する。
世界すてき発見 ~多文化共生~
大和高田市立片塩小学校 宮田 真理子・河合 優子・的場 惠美
外国との豊かな出会いを通して、その国独自の文化・習慣に触れ、それぞれの違いや良さを認め合い、正しい認識を育てていきたい。
また、差別・偏見に負けず、自分の国に誇りと未来への希望をもって、胸を張って生きていける子どもたちにと願い、この取り組みを行った。
であい・ふれあい・ときめき隊
香芝市立真美ヶ丘東小学校 吉村 久恵・高田 正樹・高橋 誠
「人と人をつなぐことば」をテーマとし、たくさんの「であい」を重ねてきた。
色んな国の言葉や人、視覚障がい者の方等、今まで知らなかった世界にであい、心ときめいた子どもたち。
この経験が、身近な「なかま」を受け入れるきっかけになればと思いつつも、日々悩みは尽きない中での報告である。
豊かなつながりを求めて「十の扉で宝物を紹介しよう」
三宅町立三宅小学校 野上 淳子
自分の宝物は何ですか…人によっては、どうしてこんなものと思われるかも知れない。
その宝物を10この質問に答えながら当てていくゲーム形式のワークを行った。
子どもたちが宝物にまつわるエピソードを話すうちに、言葉や表情を通して子どもどうしのつながりが見えてきた。
そんな取り組みを報告する。
ちがいの発見から心の発見へ ~やったぁ!ぼくが主役だ!~
大和高田市立陵西小学校 辻本 未央
子どもたちは、生活科の学習で、地域の人々や留学生など、さまざまな出会いをした。
それぞれの出会いを通して、人々の苦労や喜びを知った。
それは子どもたちだけでなく、わたしたち教師も例外ではない。
障害者理解 ~よりよい社会をめざし、出会いを通して~
曽爾村立曽爾小学校 田中 耕司
「先生、なんであの子みんなとちがうことしているの?」三年生の児童たちは、県の音楽会に参加したときに、舞台の上の他校の児童を見て、こんな疑問を抱いた。
これが、障害者理解の学習を始めるきっかけとなった。
地域の福祉作業所で働くひとたちや、盲導犬ユーザーの方との出会いを通して、学習を深めた。
福祉体験学習を通しての障がい者理解
大和郡山市立郡山西中学校 山岡 弘人
街中には、社会生活を送る上で大きな壁となるものがある。
これらの障壁を取り除き、障がいのある人々にやさしい街作りが進められている。
一方、周囲の人々がそれらの障壁に気づき適切な手助けをすることによって障がい者は生活しやすくなる。
そこで生徒がそのことに気づき、手助けのできる人になってほしいと願い、「相手が困っていることに気づき、自ら声をかけ、手助けのできる」態度を育てることを目指し、障がい者理解についてのさまざまな取り組みを行った。
夢に向かって ~夜間中学から学ぶ~
香芝市立香芝西中学校 田中 玲子
夜間中学にかよう生徒さんたちにとって、「学ぶこと」は「生きること」そのものである。
学ぶ機会を与えられていながら、日頃の授業や自分の学習に真剣に取り組めない生徒達に、夜間中学で学ぶ生徒さんたちの姿を通して、学習することの意味、自分の回りや社会の中の問題、これからの進路や生き方について考えさせたい。
夜中の学びをどう伝えるか ~小・中学校との交流を通して~
奈良市立春日中学校 夜間学級
(現・奈良市立都南中学校)松田 秀代
春日夜間中学では、昼の小中学校からの依頼を受け、生徒さんの体験発表を含めた形で交流学習をしている。
生徒さんの思いを交流学習の中でどう伝えるか、生徒さんにとって交流学習とは何かを考えてみたい。
平和学習をする中で見えてきたこと
葛城市立當麻小学校 林 好也
運動会も終わり、修学旅行に向けて平和学習に取り組む中で、子どもたちの落ち着かない様子が目についた。
そこで、「自分の心は平和ですか?」という問いを子どもたちに発したところ、三名の子どもが「平和でない」と答えてきた。
それぞれの子どもたちが抱えている課題に、担任としてどれだけ寄り添ってこれたか報告したい。
思春期の支援は「さりげなく」 ~にこにこ子どもたち~
奈良市立二名中学校 佐野 和味・前木 伸一
言葉としては全く聴き取ることが出来ない重度難聴のAが、地域の中学校で普通に授業を受け、生活している。
Aを取り巻く学級の生徒達の様子。
授業における配慮。
音楽や英語のヒアリングテストをめぐる試行錯誤。
Aの進路等、今後の課題について、などをレポートする。
「ひろ君、笑ってる!」 ~自然に受け入れていく居心地の良いなかまづくり~
五條市立五條東中学校 西尾 孔延
特別支援を要する生徒を中心に据えながら、保護者の意見や願いを、担任や交流学級担任が受け止め、学年を越えた連携により、インクルーシヴな教育活動の構築を目指す取組を報告する。
Aできへんもん ~子どもたちのつながりを感じて~
天理市立山の辺小学校 菅原 敏子
昨年度転勤してきて出会ったA。
少しでもひっかかることがあると、つばをかけ、腕をかみ、「Aできへんもん」と教室から飛び出してしまう。
何とかこの子の居場所を作りたい。
なかまのあったかさを感じてほしい。
この想いでAと向き合った一年を報告できたらと思う。
「自分で気持ちを伝えたい」
御所市立葛上中学校 矢野 奈都美
思うように人とコミュニケーションを取ることができないA。
昨年度、Aは一時期教室に入れなくなってしまった。
彼は「自分でしっかりと気持ちを相手に伝えたい」と思い、個人ノートなどを通して成長している。
みなさんに色々と教えて頂いて、Aと共に私自身も成長していきたい。
Aくん、回すほうやってみたら
五條市立牧野小学校 井岡 直人・中西 早希子
本校は支え合うなかま集団づくりをめざして様々な取組をしている。
まず、毎月の人権点検・ストレスマネジメント・異学年交流など学校全体での取組を報告する。
また、ありがとうの花を咲かせよう・みんなでチャレンジなどA君を中心とした二年生の取組を報告する。
みんながいたからがんばれた
大和郡山市立平和小学校片岡 幸一
本校へは四年前の異動で転勤し、四年生担任を受け持った。
そのクラスには、ほとんど学校へは来ることができないAがいた。
Aの学級担任として四年生の出会いから卒業までの三年間の集団づくりの取組と、まわりの子どもとの関わりによるAの変容を中心に報告する。
「はずかしすぎて、暴れちゃうねん」
天理市立前栽小学校 井上 典子
自分の思い通りにならないと、すねたり暴れたりするA。
Aとの体当たり日々の中で、ある時、Aの心の奥にある「声」を聞かせてもらった。
それを機に、私の「常識」が覆され、Aのことをもっと知りたいと感じた出来事と、Aと他の子ども達とのつながりを紡いでいこうとした一昨年度の取り組みを報告する。
「さみしいけど、友だちがいるから・・・」
御所市立掖上小学校 永岡 憲子
本校には、家庭的にしんどい状況におかれた子どもたちが多くいる。
五、六年を担任したAさんもその一人である。
友だちとのコミュニケーションがうまくとれず、トラブルが多い。
たび重なる欠席や遅刻で学習の遅れも著しい。
そんなAさんがせめて学校では楽しくすごせるように、そして将来を強くたくましく生きる力をつけてほしいと願って取り組んだ内容を報告したい。
みんなでいっしょに、レッツ・チャレンジ ~元気に活動することを通して、キラキラ笑顔を育む取り組み~
葛城市立忍海小学校 中上 敦樹
「三年生特有の素直さと積極性を活かし、運動をはじめとする体をいっぱい使った体験的な活動を仕組み、体を動かすことを厭わない運動が大好きで、友だちを大切にする子どもを育てたい」という担任の願いを出発点とし、運動遊びを中心に据えた学級作り・仲間集団作りに取り組んだ。
その中から見えてきた、個々の児童や学級集団の成長・課題について報告したい。
「ぼくもしんどいんや!!」 ~一人一人が輝けるために~
御所市立大正小学校 樅山 敬剛
自分の思いが尊重されず、人間関係が好ましくない集団があった。
そんな集団の子どもたちが安心して過ごすことのできる学校・学級にするために二年間取り組んだ。
学校、家庭、地域の協力体制や取り組みの中で気づいたことや大切にしたいことも併せて報告する。
「ともに生きる」 ~違いを認め、自分を伝えるために~
天理市立南中学校 和多田 寛世・樋口 勝久
①自分を大切にし、まわりの人も大切にできる生徒
②広い視野を持ち、社会と積極的に関わろうとする生徒
③思いやりをもってがんばれる生徒
以上の目標に向けて中学入学後取り組んだ学習活動について報告したい。
願いを知るため現実の中へ
御所市立大正中学校 南岡 宏樹
様々な生活背景や課題を抱える生徒と過ごした三年間。
大人や教師への不信感が強く、また、子ども同士の信頼関係も正常には築けていなかった。
人間同士の正常なコミュニケーションや学びを保障していけるよう、信頼関係の構築を基本に据えた取組みを展開した。
その実践を通して私自身の学びも含めた概要を報告したい。
子どもたちの関わりから見えてきたこと
桜井市立大福小学校 篠木 ゆかり
期待に胸を膨らませた一年目。
しかし、現実は困難の連続だった。
毎日子どもたちと格闘する中で見えてきたこと、それが今の自分の子どもたちと関わる上で基盤となっている。
そして、今年が四年目。
初めての一年生担任。
不安を抱えながらのスタートだった。
しかし、その不安を払拭してくれたのも、子どもたち同士の関わりだった。
見方を変えて子どもたちに真のつながりを ~自分自身の気づきから~
天理市立丹波市小学校 小泉 勝也
「先生何とかしてや」
居心地の良い学級をつくれなかった私への失望の声。
私は二年前、子どもたちの思いを受け止めきれず、自分の価値観を押し通すことばかり考えていた。
昨年度は違った立場になり、自分自身を振り返る良い機会となった。
変わろうとする自分自身と、それによりつながろうとする子どもの姿を報告したい。
犯罪・交通事故被害者遺族と「生命のメッセージ展」
NPO法人KENTO 児島 早苗
犯罪・交通事故被害者遺族の願いが二つある。
「真相究明」及び「二度と繰り返させない」こと。
'00年五月、奈良高専四年在学中の長男を亡くし交通事故被害者遺族となる。
会社勤務を続けながら、息子の級友達と共に真相究明活動を行う。
また「二度と繰り返さない」社会を求め、「生命の尊さ、重さ」を伝えるべく「生命のメッセージ展」開催を県下で繰り返し実施。
一方、奈良少年刑務所にて交通犯罪受刑者、犯罪受刑者に六年に亘り被害者遺族として「生命の尊さ、重さ」のスピーチを三ヶ月に一度実施しつつ、各所で講演活動を行う。
現在、県下の幼・保・小/中/高校・短/大学・専門学校という教育現場で、教職員・生徒/学生・保護者の三者が「生命の尊さ、重さ」を共有・体験することを願い、体育館・教室でのミニ版「生命のメッセージ展」開催の実現に取り組んでいる。
屯鶴峯地下壕が語りかけるもの
NPO法人屯鶴峯地下壕を考える会 田中 正志
朝鮮文化研究会の子ども達と高槻の地下トンネルを訪ねたことがあった。
崩れかけたトンネルの壁に残る労働の跡に労働者の姿が見えてくるように思えた。
地下トンネルは強制連行、戦争を考えるための何ものにも代えがたい生きた教材だと思った。
もっと近くに同じような地下施設が残っていればと考えた時、「屯鶴峯に陸軍の防空壕がある」という以前聞いた話を思い出した。
地下施設は本当に私たちの足下ともいえる場所に草に埋もれようとしていたのである。