新しい世紀、21世紀を迎えました。私たちは、「21世紀を『人権と共生の世紀』に」と呼びかけてきました。このスローガンは、世界の多くの国や地域で掲げられています。
日本では、この新世紀を迎える直前の昨年末に、ようやく「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が制定されました。また、人権救済制度の確立についても大詰めを迎えています。まさに、人権と共生の社会を実現するための大きな一歩を踏み出しはじめたと言えます。
しかし、ここに至るまでには、長年にわたる解放運動や同和教育の取り組みがあったことを忘れてはならないと思います。
ところで、昨年末は、何かにつけて「最後の」という言葉が使われました。そして年明年末、大平光代さんの著書『だから、あなたも生きぬいて』を読み返しました。その「終わりに」の章に、左の詩が紹介されていました。けから、街角や新聞・テレビ等、いたるところで、「新」を冠した言葉とよく出会います。
年末、大平光代さんの著書『だから、あなたも生きぬいて』を読み返しました。その「終わりに」の章に、下の詩が紹介されていました。
人権と共生の社会の実現を願う私たちにとっては、「新」世紀を迎えた「『今』こそ出発点」であることを確かめたいと思います。
今こそ出発点 人生とは毎日が訓練である わたくし自身の訓練の場である 失敗もできる訓練の場である 生きているを喜ぶ訓練の場である 今この幸せを喜ぶこともなく いつどこで幸せになれるか この喜びをもとに全力で進めよう わたくし自身の将来は 今この瞬間ここにある 今ここで頑張らずにいつ頑張る 京都大仙院 尾関宗園