幼い頃、母と一緒に入浴しているとき、気になることがありました。それは、母の背中にある傷跡でした。
「なぁなぁ、この傷はなんでついたんや。」
と尋ねると、
「これはな、お母ちゃんが小学校の時に、アメリカ軍の艦載機に撃たれた時の傷跡や。」
と話してくれました。
太平洋戦争も末期、母が乗車していた電車をめがけて、アメリカ軍の艦載機が飛来し、機銃掃射を行ったそうです。その際、椅子の下に隠れていた母の背中に、二発の銃弾が命中したということです。大けがを負った母は、生死を彷徨いながら半年間うつむきながらの入院生活を送ったということです。 今思えば、もしあの時母が命を落としていたら、当然小生がこの世に生を授かることはありませんでした。
今、イラクと北朝鮮の情勢が緊迫化する中で、世界的に反戦運動が高まっています。先日、全世界で1000万人を超える人々がデモに参加したと報道されました。それも、「動員」型ではなく、インターネットで情報を得て集まったといいます。地球市民型の新しい反戦・平和運動の始まりのようです。
戦争は、命の「つながり」を断ちます。一方、先日の反戦デモは、人と人の「つながり」を創りました。
平和教育・人権教育は、互いの違いを認め合いながら、人と人、地域と地域、そして世界中の「つながり」を創出する営みだと言えます。
本紙(広報『なかま』)は、今号で200号になりました。’62年に発行され、41年間つながりました。この間、会員のみなさんの理解と協力を頂きましたことに、お礼を申しあげます。
また、本欄も27号を重ねてきました。会員のみなさんからご批判をいただかないかと、内心ドキドキしていました。ときどき「いつも楽しみにしているよ」と言われた時は、恐縮するばかりでした。原稿を書き上げた後の校正で、真っ赤になって返って来たときは、稚拙な文章しか書けない自分に、腹が立つと共に情けなく思ったこともありました。
本欄は、この辺でひとまず終わりとします。ご愛読いただいたことに、心よりお礼を申しあげます。次号からの新企画につなげたいと思います。ご期待ください。