人権エッセイ集

2002年度 などちゃんのアイドルトーク 01

2月号「・・・・3年というとし」

2003年が明けて、早1ヶ月が経ちました。「・・・3年」という年にどんなことが起こったか、いくつか拾ってみました。

  • 1603年 江戸幕府成立
  • 1783年 天明の大飢饉
  • 1833年 天保の大飢饉
  • 1853年 ペリー来航
  • 1873年 徴兵制・地租改正
  • 1923年 関東大震災
  • 1933年 日本が国際連盟 脱退
  • 1973年 石油危機

こうして見ると、「・・・3年」は、日本が大きく変わる契機となった年のようです。ところで、マスコミは、連日のように「北朝鮮」と「イラク」情勢について報道しています。アメリカが、いつイラクを攻撃するのかが関心の的になっています。一部では、アメリカのイラク攻撃は、新しい戦争の始まりであり、アメリカにおける「公共事業」と言われています。現在上映中の「マイノリティ・リポート」は、未来殺人の光景を犯罪予防局が分析・判定し、事件が起こる前に ”犯人”を逮捕し、殺人を未然に防ぐという映画ですが、今語られている戦争は、まさにこのことかと思います。映画の結果は、そうしたシステムが失敗で終わります。

また、北朝鮮に対しては、「北風と太陽」の寓話を目の当たりにしているかのようです。一方国内では、構造的な経済不況が続き、深刻化が増しています。先日、各地で成人式が開催されました。今年成人式を迎えた方は、バブル期の物・金があふれる中で育ち、そして今、未曾有の就職難に立ち往生するなど、明るく迎えるはずの成人式が、来賓の挨拶も湿りがちに「こんなはずではなかった」成人式になったようです。そうした折、具体的なデフレ対策が論議される中で、「過去にデフレを解決した唯一の手段は、戦争であった」と語られています。大変怖い論議だと思います。

こうした状況の中で国内の世論は、平和を望みつつ戸惑いがあるように思います。戦争を経験していない小生は、ひょっとすると日中戦争の前夜はこのような状況だったのかと思ってしまいます。一九五八年に国連で採択された「世界人権宣言」は、「人間は、理性と良心を授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない」(第1条)と述べています。今こそ、この文言を世界中の人々のものにしなければならないと思います。 

また教育においても、教育基本法の改正が、国会で論議されようとしています。戦後50年を超えて確立されてきた教育制度が大きく変革されようとしています。2003年は、日本だけでなく世界を大きく変えるプロローグの1年になりそうです。そういえば、「・・・3年」に国際社会では、つぎのような出来事がありました。

  • 1863年 アメリカで「奴隷解 放宣言」
  • 1963年 部分的核実験停止 条約
  • 1973年 ベトナム和平協定
  • 1993年 パレスチナ暫定自治宣言

どのような1年にするか、私たちが問われれていると思います。

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