今年の夏は関東地方で39度台を記録するなど、大変な猛暑となりました。奈良でも35度を超える日が何日も続きました。私たちが子どもの頃はこんなにも暑い日がなかったように思いますが、やはりこれは地球温暖化のせいでしょうか。あるデータによれば、この50年間で平均気温は約0.5度高くなったといわれています。このままの状態が続けば100年後には最大で5.8度の気温上昇と88センチの海面水位上昇が予測されています。
地球温暖化は、「温暖化ガス(二酸化炭素=CO2など)」が大気中に増えることによって起きていると考えられます。自動車の利用を減らしたり、電気の無駄遣いに気をつけたりすることがすぐ思い浮かびますが、ごみを減らすことも地球温暖化の防止につながります。焼却されるごみの量が減れば、放出される熱とガスの発生を抑えられるからです。
さて、生活ごみの中でも一番の問題は生ごみです。みなさんの家ではどんな工夫をされているでしょうか。
農林水産省が’00年に実施した「食品ロス調査」によれば、食べ残し・廃棄率は、外食産業が5.1%、家庭が7.7%で、家庭の食事より外食のほうが無駄が少ないことが明らかになっています。また、生ごみなどの食品リサイクル率も外食産業等では13%ですが、家庭は1%未満となっています。つまり、家の食事より外食のほうが環境に良いことになります。しかし、生ごみの年間発生量は、企業が950万トン、家庭が1200万トンとなっていて、家庭での努力が不可欠となっています。
家庭では、捨てる量を減らすこと、分別を徹底することに加えて、水をしっかりと切りましょう。ごみを乾燥するには大量の熱が必要で、水切りを徹底すればごみ処理の熱効率があがります。水も「生ごみ」なのです。
昨年夏期研修会で環境教育について講演いただいた槇村久子さんは「明日影響の出ることは今日から、1万年後に影響のでることは1万年前から取り組まなければならない」と言われました。暑かった夏を振り返りながら、100年後の地球を自分ごととして考え行動できるかが問われています。