人権エッセイ集

2005年度 アイドルトーク 02

1月号「休日のこどもたち」

’06年は、3日以上の連休が何回あるか知っていますか。昨年は10回もあったのですが、今年は6回しかありません。「ハッピーマンデー制度」が実施されてから、1年に5回の3連休が確保されました。さらに、祝日が日曜日と重なった場合の振替休日制度とあわせて、3連休になる可能性が増えました。しかし今年は、4つの祝日が土曜日に重なり振替休日とならないこともあり、3連休が少なくなっています。

ところで、子どもたちはこうした「休日」をどのように意識し、どのように過ごしているのでしょうか。ベネッセ教育研究所の小学校高学年対象の調査によると「朝は56%がいつもより遅くまで寝ていて、就寝時刻は62%がいつもと同じくらい。クラスの友人と遊ばなかった子が76%、近所の友達とも遊ばなかった子は72%。スポーツの練習などには18%が行っているが、読書やお使いなどは半数以上がせず、勉強時間も約6割が1時間以内と答えている。」と、『子どもの休日』の様子が示されています。そして、「以上のように、子どもたちの休日の過ごしかたは、外ではあまり遊ばず、家の中で漫画を読んだりテレビを見たりする。時折勉強してはまたテレビを見る。まるで、疲れたおとなの休日の過ごし方をそのままコピーしたようであり、なんとも歯切れが悪いという印象だ。かつてのように、子どもたちが胸をときめかすような休日は戻ってこないのだろうか。」と結ばれています。休日を楽しんでいるとは言えない子どもの姿が浮かんできます。しかも、なんとこれは、今から20年前の’86年に発刊された『モノグラフ・小学生ナウVOL6ー2/子どもの休日』からの引用です。

以前ある人が、現代の子どもたちにはしたいことを思う存分やるための「時間」「空間( 場所)」そして「仲間」の三つの「間」がなくなっていると言われていました。昨今はそれに加えて、「安全」が脅かされる事件が続発しています。子どもたちがますます外に出なくなり、友人や社会や自然とのかかわりが一層希薄になってしまうことが危惧されます。

さて、どうすれば子どもたちが胸をときめかすような休日が戻ってくるのでしょうか。多様な方法で子どもたちの学校・園・所以外でのくらしを知ることから始めましょう。

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