今、若者を中心に広まっている「KY」というのは何の略語かわかりますか。答えは「空気(Kuki) を読めない(Yomenai) 人」のことです。もともとはインターネットの掲示板で使われていた表現で、それがメールでも使われるようになり、実際の会話にも登場するようになったといわれています。会話の中で場違いな発言をした人に「KY」といって注意する、「あいつはKYだ」と数人で噂する、といった使い方をするのだそうです。もしかすれば、子どもたちももう使っているかもしれません。
確かに、話の腰を折る唐突な話題や、その場を無視した自己中心的な態度はまわりには受け入れられにくいものです。内藤誼人さんは、著書『「場の空気」を読む技術』の中で、「場の空気が読めない人は、相手の顔の表情や眼元の表情を見ないで話す傾向がある。うつむきがちに話したり、顔ではないところや、手元の資料を見ながら話す傾向がある。それにより耳から入ってくる言葉にばかり注意が向き、相手の真意・心情を理解し損ねるのである」と述べられています。相手の表情やしぐさなどに気を配りながら「場の空気を読む」ことは、スムーズな人間関係のためには必要なスキルだと思います。
しかし、みんなと違う意見や態度などをことさら「KY」として認めないことは、意見の違う人・大勢に従わない人を排除することにもつながります。また、「みんなと違うことは言わない」「めだたない」ことが求められる友達関係は、本心を出せない窮屈なものとなってしまいます。やっぱり、この略語はあまり好きにはなれません。
ところで、なぜ、こんなに「KY」が気になったのかといいますと、実は・・・、「KY」は見慣れた自分のイニシャルだったからです(笑)。