研究大会が終わった翌週の土曜日、私の勤務校では授業参観がありました。
授業が始まって半分が過ぎた頃、私が昇降口に立っていると、一人の保護者が帰ろうとされていました。
「もう帰りはるの?まだ途中ですよ」と声をかけると、「今日は仕事ですねん。
途中抜けてちょっとだけ見に来ましてん」と、申し訳なさそうな顔で答えられました。
そのときの私は、きっと何ともバツの悪い顔をしていたことでしょう。
私の中では「土曜日は休業日」があたりまえとなってしまっていたからです。
それがあたりまえではない、いろいろなくらしが子どもたちの背景にはあるのだということを改めて気づかされました。
さて、その数日後、先の第58回奈良県人権教育研究香芝大会について総括を行いました。
今年も分科会を前にずいぶん天候が心配されましたが、教育・保育の関係者のみならず大勢の方に参加いただきました。
その分科会を土曜日に開催するようになって数年が経ちます。
土曜日は学校・園が休業日(保育園・所等は開かれています)だからこそ子どもたちに迷惑をかけることなく研修ができるという利点があります。
一方で、私たちの休む権利が保障されにくい現実もあり、何とかならないものかと頭を痛めています。
そんな中、司会をしていただいた方々からは「最後まで参加者から多くの発言があり、週末に元気をもらって帰った」といううれしい声を聞かせていただきました。
参加された方からいただいたアンケートには「良い学びの機会となった」という感想がたくさんありました。
朝から夕方まで土曜日を有意義な一日として過ごしていただけたことに、何より自分が元気をもらいました。
ところで、昨年度から、毎月1回土曜日の午前中に「次代を担う若い教職員のための人権教育セミナー『つながり』」を開催しています。
このセミナーは、出張ではなく自主研修として位置づけています。
にもかかわらず、毎回熱心に通ってくださる若い方々が多数おられることにも励まされている自分がいます。
週末の土曜日も休まず働いておられる先の保護者にお返しできることと言えば、こうしてもらった元気をもって月曜日から始まる一週間を子どもたちと共に歩むことしかないなあと思います。
何はともあれ、それぞれの土曜日、翌週の糧となるよう大切に大切に過ごしたいと思います。