「公園で小学生の一団が休んでいた。引率の先生が『狭い日本、そんなに太ってどこへ行く』と笑いながら走り回る。後ろを太った男の生徒が、怒って追いかける。それを見て同級生たちが笑い転げる。そんな光景を見たことがある。」という新聞記事を見ました。いじめは、「あざ笑い」や「からかい」から始まり、そして、深刻化させます。
ところで、日本でLGBT層が、7.6%存在するという調査結果が明らかにされました。文部科学省は、「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」を通知し、学校での対応を示しました。
最近上映された学校を舞台にした映画で、男の子を呼ぶ時に「何々君ではなく、何々さんと呼ぶようにしましょう。」という台詞がありました。制服のあり方の論議が始まっている学校もあると聞きます。一方で、「男らしさ」「女らしさ」を強調したり、性的マイノリティの存在を笑いの対象にしたりしている教室がないでしょうか。
性的違和感を持ち、自分らしさを押し殺し、あざ笑いやからかいに、戦々恐々としている子どもが教室にいることを、忘れてはなりません。そして、すべての子どもが、教室や学校を心の居場所として実感できる取組が求められています。そのために、多様性を認め、寛容な態度を培う人権教育が俟たれます。多様性と寛容は、人権のキーワードです。