第62回奈良人権教育研究大会 報告等の概要事業報告

第1分科会 教育内容の創造と学習活動

第1分散会

みんなで発見!三宅探検隊 ~3年生地域学習の取組から~

三宅町立三宅小学校 旧3年教師集団

「みんなで発見!三宅探検隊」をテーマに、フィールドワークで見つけた三宅町の自慢を『知る』、さらに見学や聞き取りを通して『調べる』、そしてみんなに『伝える』活動を行いました。「三宅自慢カルタ」を作って他学年や地域の方々に紹介することを目標として、社会科や他教科と関連させ学習を進めました。

「むなつき坂を越えて」を目指して

斑鳩町立斑鳩南中学校 旧2年教師集団

旧2年生担当職員8名は、若い世代が多く初めて担任を持つものもいるなかで人権学習(部落問題学習)を取り組むことになる。そこで、伝え聞いた知識を教えるのではなく、人権教育の原点である「差別の現実に深く学ぶ」ことをベースに、人との出会いを通して職員が自分のことばで子どもと向き合っている姿を報告します。

「鬼のいた京都を旅して」

天理市立西中学校 植松孝祐

平安の時代、人と鬼とが共に生きていた時代、鬼たちは時にその姿を現し、牙をむき、見る者の思いをゆさぶりかき乱す・・・。映画『陰陽師』の世界です。京都では多くのキヨメ=被差別民衆が躍動し日本の伝統文化の礎を築きました。西中学校の2年生が京都の人権スポットを校外学習で訪問しました。一連の学習を報告します。

第2分散会

それは、古い巻物から始まった

天理市立中央保育所 大出由美子

年長になった4月。押し入れから保育士の仕掛けた忍者からの巻物を見つけます。毎月1本ずつ子どもへの課題や時には励ましの言葉が書かれており、目に見えない忍者との交流が始まります。修業と称して課題に取り組むと忍者から魔法の言葉も届きます。忍者は存在していると信じる子ども達と就学まで仕掛けていく保育士との1年間の取り組みを報告します。

「安心・楽しい・おもしろい」~5年生の日々の歩みから~

平群町立平群北小学校 吉澤雅嘉・神原隆康

前年度にいじめがありました。新年度を迎え、子どもたちが安心して学び、楽しく活動することが出来る学級・学年をつくっていこうと学年集団で確認しました。「なかまとともに」使った授業、プロジェクトアドベンチャー等のグループワーク、また特別なことではなく日々の活動の中で大切にしていることなどを報告します。

ネット社会を生きる子どもたちに確かな力を~ネットトラブルを防止する力を身につける取組へ~

上牧町立上牧第二中学校 米田 群

パソコン・スマートフォンの普及に伴い、誰もが容易に様々な情報に接することができ、個人の意見等も不特定多数の人々に自由に発信できるようになった。中学生にネット社会でのトラブルの怖さや人権感覚を理解させるにはどのような取組が有効か、人権集会を中心とした「他人の気持ちを思いやる心」を育てる取組を報告する。

『人権を確かめ合う日』

奈良市立春日中学校(現飛鳥中学校) 佐貫美矢子

『人権を確かめ合う日』。月1回、毎月11日(前後)の1時間目を設定し、自分も他者も大切にできることにつながるような自作教材を用意し、生徒に本音で思いを伝えた。その実際の映像を見てもらいます。

第3分散会

楽しく食べる子どもの育成 ~菜園活動を通して、食への関心を育む~

曽爾村立曽爾保育園 納村拓也・東口直子

保育園での菜園活動から子どもたちの食べもの大切にしようとする意識の変化や栄養の理解の高まり、そして何より子どもと食べものの関係が単に食事をするということだけでなく、子どもの成長や健康、生活習慣、体力や人間関係などあらゆるところで関係し、生きるための基礎となっていたということを26年度の取組をもとに報告する。

綴ることでつなぐ学級づくりを ~「場面緘黙」のA君と出会って~

田原本町立田原本小学校 岡田朋子

場面緘黙のA君と出会った。A君は学校でしゃべれなくても、家庭や出先で会話したことは、ありのままに日記にどんどん綴ってきてくれる。それを一枚文集で紹介し、みんなとつながっていく。さらにDVDで自分の声をみんなに伝えることができるようになった。長年取り組んできた生活綴り方が活かされた取組の過程を報告する。

支援学級における「食育」の必要性から生きる権利を考える

生駒市立緑ヶ丘中学校 松村静雄

支援学校や支援学級卒業生の肥満傾向または肥満の出現率は極めて高い。偏った食生活が原因で生活習慣病から短命となっている障害者の現実がある。それは、障害者の生きる権利そのものを奪うことにもつながっていくだろう。生涯にわたって必要となる健康に関する自己管理力を高めるための取組を学校教育の中で早急に実施する必要を痛切に感じている。卒業後のことも踏まえ「簡単に一人でできる料理をマスターしよう」をテーマとして行っている取組のようすと障害者の肥満に対するデータから見えてくる現実を紹介する。

マイノリティの生徒への支援と人権教育の実践

奈良県立奈良北高等学校 森川与志夫

本校には聴覚に障害のある生徒、さまざまな支援を要する生徒が在籍している。社会的に「マイノリティ」と位置づけられる生徒たちへの支援と、周りの生徒たちへの相互理解にもとづく実践について報告する。

第2分科会 進路・学力保障

保健室登校から中学校へ

天理市立福住小学校(現川西町立川西小学校) 喜多絹子

A君は6年生の4月から教室に行きにくくなり、保健室登校を始めた。自己肯定感を高めることがA君の将来につながると考え、「自己決定」を中心に取り組んだ。中学校進学に向けて、小中間で情報交換を行い、彼の特性と課題を理解してもらうとともにA君と中学校の先生方がつながり、不安を取り除く取組を行った。

Aの家庭での荒れによりそう中で

大和郡山市立郡山中学校 髙松葉司

コミュニケーションが苦手なA。中3になり家庭での荒れが顕著になる。5月から不登校に。関係機関との相談、医療機関への通院や入院、度重なる家庭訪問等を通し、卒業・進学に至るまでAによりそった軌跡を報告する。

ひまわりのようにぐんぐんのびよう!~「わかる」「できる」経験を~

葛城市立當麻小学校 田中美也子

本学級には、学習面・生活面で支援の必要な児童がいます。その子たちが「わかる」「できる」授業をすることは、その他の児童にとっても「学びやすい」につながると思います。支援の必要な児童を中心に据えた学級での取り組みを報告させて頂きます。

教師が変われば子どもが変わる~チームせいなんの取組~

奈良市立済美南小学校 今井祐樹

本校では、ならの子ども学力向上プロジェクト事業を受け、「チームせいなん」として教職員が一丸となって、すべての子どもたちに関わり、声かけを行ってきました。教師が変われば、子どもに変化が起こり、保護者や地域の方々の意識も変えることができる…そう信じて取り組んできた内容を報告します。 

第3分科会 自立と共生をめざす集団づくり

第1分散会

『特別な支援を要する子どもたち』 ~理解と支援~

田原本町立南小学校 土屋崇義

私が特別支援学級で、昨年まで担任させていただいたAさん。一見わがままに見える行動を繰り返したが、それには理由があった。Aさんの抱える「自閉症スペクトラム障害」について知るうちに、徐々に明らかになってきた本人の困り感。今回は、そんな困り感への理解と支援について、具体的な事例も交え報告させていただく。

T君との出会い

宇陀市立室生東小学校 德田千里

なかま集会で「ハートフル室生」の人たちと出会ったことをきっかけに、超重度の障害をもつ弟のT君のことを語り出したM君。M君の思いを受け止め、「T君のことを勉強しよう。」と、取組が始まった。取組を進めていく中で、T君の家族の愛情に満ちた支えを知る子どもたち。自分たちにもできることはないかと考える。そして、入学式を迎える。(今年度の交流の様子も報告します。)

おいらだって教室に戻りたいねん  ~保健室からみんなと共に~

御所市立葛小中学校 吉田有希・甲元眞砂

Aは、登校すると保健室で養護教諭と顔を合わせて1日をスタートさせる。本当のおもいを打ち明けられないしんどさから、学級の友人と関わることも拒否していたAが、友人や教員との様々なかかわりを通して「教室に戻りたい」と打ち明けるようになった。Aの心の変化と、自主・自立に向けて動き出している姿を報告する。

第2分散会

A君が変わった!

奈良市立鳥見小学校 玉浦 亘

4年生への進級時、本校へ転校してきたA。Aは、転校してきた当初には学習活動はもちろん、学級にいることも難しかった。そんなAが、学校生活を送る中で学級内での自分の居場所を実感し、学級の仲間とともに活動できるようになるまでの様子と、教員集団がどんな支援を行ってきたのかについて、報告させていただきます。

「先生のせいやで」~Aさんと出会って~

天理市立前栽小学校 鴻池則子

初めての現場で子どもたちとの付き合い方に戸惑い、授業がスムーズに進まない日が続いた。特にAさんは落ち着かず、授業中の立ち歩きも多かった。そんなAさんの「先生のせいやで」という言葉で困っていたのは私ではなく、Aさんだと気づかされた。私の見方が変わることで、Aさんはクラスの真ん中で頑張る姿を見せ始めた。

「お前、俺のお父さんやもんな。」

平群町立平群中学校 岡 達也

3年連続受け持っているA。1年目は問題行動が目立ち、その度にAに話をしたが変化は見られなかった。2年目、1年目にはなかった関係性を見いだせた。Aの口癖は「今週も野球、観に来いよ。」だ。Aの家庭背景を知り、心の課題が見えてきた現在。Aとの関係の中で、私が気づかされたこと、学んでいることを報告する。

第3分散会

自分らしく・君らしく「あなたは あなたで だいじょうぶ」

大和高田市立土庫小学校 旧3年生集団 井芝満喜子

教師として、目の前の子どもたちをどうやってつないでいくのか、少し行き詰まっていた時に、アンガーマネジメントに出会いました。私の新しい出会いが、子どもたちの本当の思いや願いを教えてくれた。

あたたかレターが届くとき

橿原市立今井小学校 大庭仁美

攻撃的な言葉を投げてしまう、自分の殻に閉じこもってしまう…自尊感情が低い子どもたちは、このような行動に出てしまうことが多い。そして、心の擦り傷をどんどん化膿させてしまう。お互いに見つめあって解りあっていこうと考え始めたそんなある日、「あたたかレター」が届く! 日々を大切にして卒業に向かっていく子どもたち。

学校、クラス、生活班が「ホーム」になるまで

御所市立大正中学校 松浦由加利

「うちは『ホームレス』や!」と叫んだA。Aは様々な課題を抱え、入学当初から荒れや揺れを見せていた。そんなAが様々な取り組みを通して、壁にぶつかり、苦しみ、もがきながらも、自分にとっての「ホーム」をどのように意識しだしたかを伝えたいと思う。 そして、そんなAの姿を通して、私自身が何を学んだかを伝えたい。

第4分散会

クラスの中で、一人一人が自分を発揮し、お互いを認め合える仲間づくりをめざして

川西町立川西幼稚園 田村育世

年中4歳児学級の子どもたちは明るく活発です。その中で友達とのかかわり方が分からず、自分の思いを言葉や態度で感情のままに表し、トラブルが多かったA児。周りの幼児とのかかわりやクラスでの活動を通して、A児が自己発揮して遊べるようになっていく姿を報告します。

さか”あい”べ ~つたえあい、うけとめあい、つながりあい~

五條市立阪合部小学校 中西省五・桝田武志

こだわりが強く、思い通りにいかなかったときはパニックになることが多かったが、少しずつ落ち着いて学校生活を送れるようになっていったA。Aの成長と変容を軸に、ともに歩んできた学級や、縦割活動を中心につながり合う学校全体の様子、少人数で温かい雰囲気である「さかあいべ」の「あい」について報告させていただきます。

想いを紡いでいく

大和高田市立高田小学校 竹綱裕美

学校生活・家庭に不満をいだく児童(特支学級)と「共に過ごす」ことを報告します。児童を叱咤激励しながら、また、保護者と話し合い、笑いながら、その想いを探り紡いできました。教員の想いも伝えたことで、児童や保護者の想いに気づけたように思います。

仲間と共に

御所市立葛上中学校 森川弘温

2年生になり教室に入れなくなったA。Aのことが気になっているけど口にださなかった子、行動の起こし方がわからなかった子どもたちが、文化祭・体育大会の目標を「つながること」「全員参加」と決めて、「Aと一緒に参加したい」と言った。Aとつながることで変化を見せた子どもたちとAについて報告します。

第5分散会

自分大好き、友達大好き  ~自分も友達も大切に出来る子どもを目指して~

葛城市立新庄小学校附属幼稚園 岡本麻里

子どもたち一人ひとりは、違って当たり前である。その一人ひとりがありのままの自分を表し、ありのままの友達を受け止める心の豊かさ・しなやかさを育てるために、園でできることは何か、職員共通の思いをもって取り組んできた一端を報告します。

えがおきらきら みんななかよし

大和郡山市立昭和小学校 長澤貴之

「友だちになるために」を合い言葉に、入学して初めて出会った子どもたちが、お互いを知り、理解し、支え合っていけるなかまになるために、日々の生活の中で取り組んできたことを報告します。

広げよう スマイル大作戦

香芝市立鎌田小学校 玉置有希

元気あふれる2年生の学級目標は「スマイル」。日頃の学習、行事、交流を通して自尊感情を高め、自分、そしてみんなが笑顔になっていく姿を発表します。

一人ひとりの心の状態にも寄り添って・・・

大和高田市立片塩中学校 中西綾子・岡田 結

現代の複雑な人間関係や家庭の状況を抱え、本人すらも気づかないうちに心が疲弊していく。頑張っているのに…、頑張ろうと思っているのに…、苦しさの中から脱出できない。心の闇の中でもがいている子どもたちを何とか元気にしてあげたい。そんな気持ちから職員みんなで取り組んで、何かできることがないか探してみました。

第6分散会

自然環境との関わりを通して ~風さんが、うたっているのかなぁ~

天理市立嘉幡保育所 馬塲 彰

天理市立嘉幡保育所には、広い園庭や大きな築山があり、保育所周辺には田園地帯が広がっています。そんな恵まれた自然環境の中で感動体験を通して「友達や保育士と一緒に遊ぶと楽しい」と思える保育を目指して、日々取り組んでいる保育の一端を報告させていただきます。

子どもがつながる全元友茶学級~地域の人々や自然とのふれ合いを通して~

桜井市立朝倉小学校 頃橋真也

本校の4年生では、総合的な学習の時間に初瀬川についての学習をしている。地域の人々や自然とふれ合う活動を通して、Aを中心に据えた子どもたち同士が繋がる学級集団を目指し、取組を進めた。学級目標である「全元友茶」に向けて、Aと子どもたちがどのように繋がり、成長していったのかを報告する。

命どぅ宝 ~命の尊さを知るために~

大和郡山市立郡山西小学校 旧6年学年集団

平和学習を通して「命の尊さ」を学び、お互いを尊重する心を絆とする集団づくりを目指した。そのために、まず自尊感情を育み、感性を活性化させたところで、道徳教材「命どぅ宝」に取り組むことで、「命の尊さ」をより実感できるようにした。

自分たちの水平社宣言を創ろう

宇陀市立榛原中学校 幸田伸也

「全国水平社」の運動をはじまりとして、現在のあらゆる人権文化が生まれてきたことを大切にして、自分たちの人権文化(自分たちの水平社宣言)を創り上げる。そして、1つのものをみんなで創り上げる、その活動の中から「なかま」の大切さ、必要性を少しでも感じてほしい取り組みです。

第7分散会

わたし大すき・友だち大すき~QUを活用した集団づくり~

五條市立西吉野小学校 森本昂一郎・尾田浩子

1学期に実施したQUで児童や学級集団の問題に気づくことができた。非承認群や侵害行為認知群になった児童が、集団の中で自己肯定感を高め自信を持って行動できるようになるために、試行錯誤しながら様々な取組をしてきた。3学期に2度目のQU を行った。

チーム矢田のチーム2年生~ともだちになるために~

大和郡山市立矢田小学校 旧2学年集団 梅谷健二・竹中愛美

毎朝、誰にでも元気にあいさつをする矢田小学校2年生。しかし、特定の友だちとしか遊ぶことができない子、ひとりで遊ぶ子が目立ち、友だちの輪が広がりにくい傾向が見られた。そこで、友だちや教師の話をよく聞き、自分の思いを友だちに伝えることができるようになるための取組を模索した。その実践を報告する。

ひとりの十歩より、みんなで一歩を

橿原市立八木中学校 江川優美

大規模校ゆえに、担任だけに任せるのではなく学年で歩調をあわせて進むことを意識してスタートした1年生。学年教師集団で大切にしてきた取り組みに加え、友人関係をうまく結べないAの問題に、班ノートを使い全員で自分の問題として受け止め一歩を踏み出せるよう取り組んできた学級の報告をさせていただく。

QUを用いた生徒理解と学級集団づくり~ルールとリレーションのとれた学級を目指して~

香芝市立香芝西中学校 佐藤幸代

教師の観察や面談を中心に行ってきた「生徒理解」にQU(よりよい学校生活と友達づくりのためのアンケート)を取り入れた。この検査結果をもとに学級経営と生徒個々への関わりを修正し、ルール(規律)とリレーション(関係性)のバランスのとれた、生徒が生き生きと輝く学級づくりを目指した実践である。

第6分科会 特別分科会

ハンセン病問題はなぜ教育の課題か

架け橋 長島・奈良を結ぶ会事務局長 稲葉耕一さん

ハンセン病差別の歴史と現実に学び、「架け橋の会」の活動を紹介しつつ教育の課題を考えたい。

「教えたい」から「学びたい」の人権教育
          ~今、再び、子ども中心の生活科と総合的な学習の時間を~

大阪教育大学教職教育研究センター 佐久間敦史さん

教員の専門性は、子どもたちに「教えたい」ことを、子どもたちの「学びたい」ことに転化することにあります。では、人権教育はどうでしょうか。例えば、総合的な学習の時間を使って、人権教育を「学びたい」という気持ちになるには、どうしたらいいでしょうか。この分科会では、子どもたちが、「主体的に学びたい」と思う人権教育の授業づくりについて考えたいと思います。

子どもの行動理解と支援 ~人間行動を科学する~

奈良県総合リハビリテーションセンター 作業療法士  高畑脩平さん

子どもの行動を理解するために、どのような分析手法を用いるでしょうか? 我々、作業療法士は、5つのPerformance Componentから分析しています。5つとは、「運動的要素」「感覚統合的要素」「心理的要素」「認知的要素」「社会文化的要素」を指します。今回は、「感覚統合的要素」を中心にお話し、気になる行動の背景を探りたいと思います。

全体会 特別報告

磯城郡人教

願いをつなげるために~三宅小学校とひまわりの家・教育と福祉の連携~

三宅町立三宅小学校 稲山嘉延・社会福祉法人「ひまわり」渡辺哲久  

ひまわりの家は、「障害」を持つ子どもたちの卒業後の居場所を作りたいという人々の思いから生まれました。本校の子どもたちは、ひまわりの家の人たちと6年間を通して様々な交流をしています。また、福祉の立場から、子どもたち・保護者・学校を様々な形でサポートしてもらっています。その中で、保護者と学校、福祉が互いに垣根を作らずに、子どもを中心につながることの大切さに気づくことができました。ひまわりの家の開設から今まで、具体的にどのような連携を進めてきたのかについて報告します。

全体会 記念講演

子どもたちの人権意識/感覚と行動力を育む集団づくり

関西大学 磯野雅治さん

文科省は「人権教育の目標」に、「自他の大切さを認めること」「具体的な態度や行動に現れること」を挙げている。その舞台は教室であり、学級集団づくりは人権教育の中心的な課題だと言える。そのことをふまえ、「学級づくりには何が大切なのか」「子どもとつながる担任力」「子どもをつなげる担任力」について、自らの体験も交えて話したい。