第71回報告等の概要

第71回奈良人権教育研究大会 報告等の概要

第1分科会 教育内容の創造と学習活動

第1分散会

「大事な仕事やのになんでなん」

桜井市内小学校

食肉産業の学習を通して、食肉産業で働く人々への偏見や差別に気づく4年生の子どもたち。そして、学習を進めていく中で子どもたちから生まれる偏見や差別に対しての疑問や憤りなどを、4年生のみんなで考え合った。これまで取り組んできたことと、子どもたちの変容を報告する。

つながる

橿原市内小学校 旧3年学年集団

町や人とのであいを通して、「他者の痛みや命の尊さを感じられる人」「周囲の意見や偏見にとらわれず自身で物事を判断できる人」をめざし、地域社会や牛の学習に取り組んだ。町や人と「つながる」、牛の命が自分たちの命に「つながる」、太鼓演奏で友だちと心が「つながる」3年生の取組である。

牛のいのちから部落問題を考えよう

北葛城郡内小学校

本校児童もいつか部落差別に出会うかも知れません。その時に(それはおかしくない?)と気付き行動できるようになって欲しいと思い部落問題学習を進めています。今回は身近な「食肉」から学習を進めました。その学習の進め方や子どもたちの様子を中心に報告します。

第2分散会

「先生、これ読んで」「今日、この本借りたいねん」絵本との出会いが一人一人の言葉を育む~『絵本の日』『わくわく絵本タイム』を通して~

奈良市内保育園

本園には『絵本の部屋』があります。「絵本の日」や「わくわく絵本タイム」を通して、子ども達が絵本に興味を持ち、絵本を通して語彙数を増やし想像力や感性が育ってほしいと思い家庭支援推進保育士が中心となり取組をすすめています。

ちょっと自分から声かけてみようかな 〜平和活動を通して〜

橿原市内小学校

子どもたちから出てきた「関係ない めんどうくさい 興味ない」。この言葉こそ子どもたちが周りに対して抱いている感情そのものだと感じた。コロナ禍でつながることの難しい時代に育った子どもたち。みんなですることに対して重たさを感じた。そんな子どもたちとつくった愉快な平和活動と子どもたちの様子を報告する。

四つ葉のクローバー

香芝市内小学校 4学年集団

1学級の人数が増え、関わりの中で自分の発言や行動が相手を傷つけていることに気づいていないと思われる姿が多々見られた。居心地の良さを感じ、お互いが認め合える学年にしたいと思い、学年目標は「四つ葉のクローバー」とした。コグトレを通して、コミュニケーションスキルを高めるための取組を行った様子を報告したい。

第2分科会 進路・学力保障

「字を知らない 苦しさ辛さ 今取り戻す 文字と自分」 ~自尊感情の高まりをめざして~   夜間中学 識字クラスの取組

奈良県内中学校 夜間学級

文字の読み書きができないことにより、生活や仕事の中で不自由さを感じるだけでなく、周囲からの言動に傷つき辛い思いをしてきた生徒さん。その生徒さんたちが、夜間中学での学びを通してどのように変容していったのか、その取組を報告します。

「Aとその母とのかかわりを通して」

五條市内中学校 

母親との不和をきっかけに、家庭内で問題行動を繰り返す生徒Aとの関わりである。Aとの関係に苦悩する母に寄り添い、Aと母との架け橋となって、いかにAをサポートしたかについて述べる。

「すべての生徒の高校生活のために-定時制のあるべき姿を考える-」

県立高等学校定時制

近年、生徒数が激減している定時制課程において、本校もその例外ではない。また特徴として不登校や発達障害等の生徒も多くいる。高校卒業の夢を抱きつつ、学習や集団生活に不安を持ち、ついつい、学校から離れがちになる生徒たちを、どのように見守り、励ましてサポートしていくか。特別な取り組みはないが、日々の必要性の中で培ってきた教職員の取組について報告する。

第3分科会 自立と共生をめざす集団づくり

第1分散会

ともだちが知ってくれたから…

橿原市内小学校 旧1年学年集団

「たたくからあの子は悪い」。相手の一面だけを見て決めつけるのではなく、いいところも苦手なところも頑張っているところも…いろいろな面を知ってほしい。そして、安心して自分を出せる学級をめざしたい。『ペアを重視した学び合い』と『相手のことを知る』取組から少しずつ変わってきた子どもたちの姿を報告する。

ひもとく といなおす ふみだす

御所市内小学校

(今日から○○小学校で働くのか・・・)と身構えて校門をくぐった日から5年。愛をもって「うちの学校!」と言えるようになるまでの『あがき』の記録。体力と気力の衰え,痛感する力量不足。鍛えるつもりが,逆に鍛えられる毎日。未来を切り拓く確かな一歩をともに踏み出す『集団』とその中で息づく『個』の成長の足跡。

「先生、俺って障がいなんかな?」

北葛城郡内小学校

「先生、俺って障がいなんかな?」始業式から数日たったある日、Aが突然ぽつりと言った問いかけに私は何も答えることができなかった。Aを中心に「みんなちがってみんないい」そんな言葉であふれる学級をめざした取組と子どもたちの変容を報告する。

第2分散会

自分の居場所~別室から教室へ

奈良市内小学校

学校に来づらい児童、教室に入りづらい児童の居場所を作り、別室で学習する仕組みを立ち上げました。一人ひとりの児童の困り感に寄り添い関り続けていくなかで、別室に自分の居場所を見つけていきました。自教室でなかまとともに生活できるようになるまでの、一人ひとりを大切にする学校全体の取組を報告します。

「量産型じゃない」

北葛城郡内中学校

本校に転勤して1年目。任されることになった学級の中に小学4年生の頃からほとんど登校をしてない生徒と出会った。Aとの関わりの中で気付かされたことや振り返ったことを報告する。

友達ってなに?~自分の居場所を求めて~

宇陀郡内小中学校 旧4年学年集団

「学校行くぐらいなら死んだほうがましだ。」が口癖のA児。遅刻や欠席が多く、登校しても教室に入らなかった。そんなA児が、教師や周りの友達との関わりを通して、少しずつ自分に自信をもち、自分の居場所を見つけようとし始めた。A児の変容や、それに至るまでの取組について報告する。

第3分散会

みんなと難しい勉強がしたいねん。

奈良市内小学校

Aは現在中学1年生。4年生から特別支援学級に入級している。学習も人間関係も気分次第で行動が左右されてしまうところがある。そんな本児と向き合う中で感じる「ちゃんとやりたいのにできないジレンマと不安」に胸を締め付けられた。保護者や同級生、交流学級担任とのつながりを支えに高学年を一緒に過ごしてきた。その日々の記録と彼女の変容を報告する。

変わること

御所市内小学校

「Aはいつも先生に怒られてんねんで」と入学前から言われていたA。特別支援学級に入級できず経過観察として入学してきたB。1学期は間髪入れずにトラブルが起きた。1年生担任として子ども同士を知り合わせることを大切にして1年間を過ごした。AやBとの関わりの中で変容していった学級集団について報告する。

「先生なんて異世界に行ってしまえ!」〜拒絶から始まったAと向き合う日々〜

高市郡内中学校

初めて特別支援学級の担任となり、中学校に入学してきたAと出会った。ある日、「先生なんて異世界へ行ってしまえ!」と言い放たれた。そこで、今までの支援はAの声を聞かない一方的な支援だったと気付かされた。Aにとって最適な支援とは何かを模索する日々の葛藤や、周りとのつながりの中で気付かされたことを報告する。

第4分散会

成長は望まない、ただ学校に楽しく行ってくれれば

大和郡山市内小学校

Aは「自分だけしなくてもいい」という思いがあり、なかまや大人からの支援が当然と考えるところがある。私は誰もが特別でない教室を願い、Aへも保護者へも様々なアプローチを行った。私の行った支援となかまづくりへの葛藤を報告する。

「自分を好きになる。そして、人を好きになる。」ために

桜井市内小学校

子どもたちに「自分は自分でいいんだ」、「いろいろな人がいていいんだ」というような優しい心、受容できる心、認め合う心を養ってほしいと考え、「宝物ファイル」に取り組み、「出会い」を通して学ぶ機会をつくってきた。取組を進める中での子どもたちの気付きや、考え学び合う子どもたちの姿を報告する。

「俺、先生と頑張りたいねん」

御所市内中学校

Aは、気に入らないことがあると、相手を傷つける発言をしたり、手を出すなど様々な課題を抱える生徒であった。私は「なぜAは色んな人に手を出してしまうのか。」と悩んでいた。Aが悩みを抱えながらも関わろうとする姿、そしてAに対してつながろうとした仲間の関わりや、私自身のAと向き合った日々について報告したい。

第5分散会

「先生、進んだらあかんで。Aさん、まだわかってないと思うで。」 〜わからないことが大切にされる安心感がある学級をめざして〜

天理市内小学校

“わからないこと”を大切に、友だちとつながり学び合える学級を目標に始まった四月。しかし、大切にできていないのは私自身だった。そのことに気づかせてくれたのは、いつもAさんの隣で寄り添ってくれていた友だちだった。取組を通して、子どもたち同士がつながりあったたくさんの素敵な瞬間をみなさんと共有したい。

「どうしたん?」 ~一人一人の居場所がある学級をめざして~

葛城市内小学校

出身の保育園所が違っていて、初めての出会いがあるなか、たくさんの個性が輝く30人。その中には、様々な課題をもった子どもたちがいた。そこで、みんなが自分の気持ちを立ち止まって考え、相手に分かりやすく伝えながら、助け合える学級集団をめざして取り組んだことについて報告する。

共に支え合う集団をめざして

生駒郡内中学校

思春期を迎えた子どもたちは、人間関係が変化し、教室内での居場所を模索していた。どうすれば子どもたちがお互いを認め合い、支え合うことができるのか考え、特別な取組ではなく、誰にでもできる取組を目標にした。その中で、教師自身が感じたことや、改めて思ったことを紹介したい。

第6分散会

こころの居場所づくり ~気づき、関わり、繋がる~

宇陀市内小学校

養護教員として、保健室登校になったAさんと関わる中で、私自身が様々な人と繋がり、学びを得ることができた。Aさんの様々な表情・感情に触れる中で、言動の背景を汲み取ることを大切にし、安心して助けを求めることができる「こころの居場所づくり」に努めた。また、教職員集団が支え合い、全員でAさんと向き合った。

みんなちがってみんないい 〜ちがいを豊かさにできるなかまづくりをめざして〜

磯城郡内小学校 旧2年生学年集団

教室に全員そろわないけれど,それぞれがそれぞれの所で頑張っていることを、子どもたちが認め,一緒に活動できなくても、心はつながることができるなかま。ちがいをちがいとして認め合い,自分も友だちも大切にし,協力することができる学年集団をめざした取組を報告します。

コロナ禍における生徒の成長

大和郡山市内中学校 2022年度3年学年集団

2020年度に入学した生徒たちは入学当初からコロナ禍に入り、3年間コロナ禍での様々な制限の中の中学校生活であった。生徒たちは友人との交流や学級、学年づくりも本来の形でできない中、人とのつながりをどう築いていったのか、少しずつ行事等が解禁されていく中の、生徒たちの喜びの様子を報告する。 

第7分散会

異文化交流でのなかまづくり ☆みんななかよし☆

生駒市内こども園

外国にルーツをもつ園児が多数在籍している。インドネシア、スーダンの園児は文化の違いもあり、日本語が話せずコミュニケーションがとりにくい。どのようにしたら、友だちをたくさん作り、楽しい園生活を送ることができるかを考え、いろいろな取組みを行った。

「知っている」から「理解している」へ~科学的な認識ができる力を育む~

御所市内小学校

小集団で6年間過ごし、お互いのことをよく知っている子どもたち。しかし、学級としてのまとまりはあまり感じられず、少し気になる子どもたちの心の距離感。その距離感を埋めるために「知っている」から「理解している」へ変える、子どもたちの科学的な認識ができる力を育むために取り組んできたことを報告します。

憧れられるリーダー集団をめざして

香芝市内中学校 第3学年集団

本学年では、1年次から学年リーダー(室長・副室長から構成されるリーダー集団)を中心とした生徒主体の学級・学年集団づくりをすすめてきた。同級生から「憧れられるリーダー集団」を目標に、これまで行ってきた活動や取組とともに学年リーダーや学年集団の成長や変化について報告する。

第8分散会

かがやけ いちばんぼし ~みとめあい つながる学年集団をめざして~

大和高田市内小学校 旧1年学年集団

小学校生活をスタートさせた1年生の学年38名の子どもたち。一人一人が、きらりと輝けるよう、つながりを大切にしながら集団作りに取り組んできました。子どもたちが自分自身を大切にすること、そして、相手を思いやり大切にすることを通して、お互いの個性や良さを知り、認め合い、成長してきた様子を報告します。

一緒じゃないと意味がない~Aさんの成長の記録~

宇陀市内小学校

1年生18人の学級。気になるのは、マイペースで衝動的で激しく怒り出すAさん。それから、「Aさんはできない子」と決めつけているかのような周りの子のAさんへの関わり。まずはAさんが友達と一緒に活動できる手立てを探った。気持ちを思いやったり本音が言えたりするなかまになることと、Aさんの成長は共にあった。

「Aとの2年間~人とつながることをめざして~」

生駒郡内中学校

本校に赴任し、自身としても初めて担任を持った学級にその生徒はいた。強烈な印象を与えてくるその生徒が、人間関係をきっかけに学級に入れなくなってしまう。周囲との関わりを拒絶する姿や排他的な言動の背景を探りながら、人との関わりの中で生きていけるように対話を重ねその生徒を理解し受容するために取り組んできた。

第4分科会 学校・園・所づくり

今年度、分科会報告はありません

第5分科会 保幼こ・小・中・高・地域の連携と教育力

今年度、分科会報告はありません

第6分科会 特別分科会

「合理的配慮はみんなの中で!」

社会福祉法人ちいろば会 業務執行理事  富田 忠一さん

2014年障害者権利条約がわが国でも批准され、「障害者差別解消法」をはじめとした法整備が進んでいます。学校教育においても特別支援教育の対象児が拡大する中、障害をもつ子どもたちへの「合理的配慮」が義務化されています。しかし、現状の社会では、障害の有無による分断は益々強まり「ともに生きる」ことから遠ざかりつつあります。「ともに学び、ともに生きる」社会を実現するために必要な「合理的配慮」の真の意味をみなさんと考えたいと思います。

人権保育の創造に向けての「8つの視点」について

奈良県人権保育研究会 会長 吉岡伸晃さん

人権保育のさらなる深化をはかるため「人権保育の創造に向けての8つの視点」が、2022年度全国人権保育連絡会から提案されました。これまで、同和保育は、『同和保育の4指標6原則』をふまえて実践してきました。しかしながら、設定されて40数年になり、この間、さまざまな学問等の進展があり、乳幼児教育への提言がなされてきました。『8つの視点』は、『4指標6原則』の歴史的経緯や理念を継承し、人権保育の充実と発展のための目印です。事例を引きながら説明します。

「人権のこと、平和のこと せやろがいおじさんと一緒に考えよ~(仮)

榎森 耕助さん(せやろがいおじさん)

榎森耕助さんは、1987年生まれ、奈良県出身の芸人さんです。2007年、お笑いコンビ「リップサービス」を結成後、ツッコミ担当として主に沖縄で活動をされています。2017年から「せやろがいおじさん」として「お~い!ちょっと聞いてえ~。」「おかいしいと思わへん?…せやろがい」とツイッター、ユーチューブへの動画投稿を始め、赤いTシャツに赤ふんどし姿で、あらゆる社会問題に対して思いのたけを叫ぶ様子が話題となっています。現在はツイッターフォロワー、ユーチューブチャンネル登録者数共に30万人を超える人気ぶり。テンポのよい笑いと、鋭い視点で平和や人権について語っていただきます。

全体会 オープニング

和太鼓演奏「子ども和太鼓教室」24年を迎えて 

天理和太鼓倶楽部猛鼓会のみなさん

私たちは、和太鼓を通して「やさしさとぬくもりのある町づくり」をめざす活動を始めて34年、ボランティア活動の一環で開講した「子ども和太鼓教室」は24年を迎えます。今年は、能登半島地震被災地支援募金活動やチャリティーコンサートでの募金を教室生と共に、天理市長に届けました。「教室」で出会い校区を越えて繋がり、心ひとつに演奏できた達成感は自信となり、子どもたちの自尊感情を高めています。今回は5、6年生9名と猛鼓会が「心ひとつ」に演奏いたします。

全体会 特別報告

天理市現地実行委員会

「であい 語り」

天理市立西中学校 岡井 唯さん

自分のことを話すことがずっと怖かった。そんな私が教員になった。「しんどいことこそ誰かに聞いてほしい話やねんで。」と先輩に言われた。勇気を出して、自分のことをめの前の子どもたちの前で語ってみると、子どもたちの様子が変わってきたことがわかった。初めて担任を持ったIとのであいの中で私自身が語ろうと思えたこと、またIも語りだしてくれたこと。Iとの3年間の実践を中心に私自身のこれまでのであいも振り返りながら、「語る」ことについてお話する。 

全体会 記念講演

「部落差別との出会い~自分を語ることで、より信頼し合えるなかまになっていく、生い立ちから今まで~」

熊本県人権教育研究協議会 会長 森山 資典さん

私は、自分を語ることでより,信頼し合えるなかまになっていく「なかまづくり」を通して、安心して学び合い、互いに成長していく学級や学校、地域づくりの教育実践を体験してきました。そして、そのなかまが増えていけば、誰もが幸福に生きることのできる社会、「水平の良き日」を実現できると思います。そんな私のことや私が出会ってきた子どもたち、なかまの話を通して、参加者みなさんの人権教育実践のお役に立てたらうれしいです。