「なでしこ」ジャパンの最後まで決してあきらめない姿に多くの人々が勇気と希望をもらった夏が終わり、これが読まれている頃には、ニュージーランドでラグビーのワールドカップが開催されていることでしょう。
ラグビーは前に投げられないという制約の中で「トライ」する(敵陣に持ち込んだボールを地面に着ける)球技です。
トライをめざして15人の選手がそれぞれの持ち味を生かすわけですが、中には突進してくる相手を止めたりマイボールをキープしたりするのに専念するあまり、試合中一度もボールにさわれない人もいます。
まさにONE forALL(一人はみんなのために)です。
さて、研究大会において部落問題学習に関する実践報告が少なくなったと言われて久しくなります。
果たして部落問題学習はどのように取り組まれているのでしょう。
「人権についての教育(Education abouthuman rights)」はどこに向かっているでしょう。
部落問題学習は、部落問題について学んで終わるものではなく、部落問題の解決につながるものでなくてはなりません。
それはすなわち、あらゆる人権を尊重する生き方を身につけることに重なります(ONEfor ALL)。
一方、すべての人権学習もそうした生き方を身につける(=部落問題の解決につながる)ものでなくてはなりません(ALL forONE)。
ボール(=部落問題)にさわらなくても、そのプレイ(=学習)はトライ(=部落問題の解決)につながっていることが大切です。
ネットという匿名社会が出現しました。
そこでは差別発言がまかり通っていると言っても過言ではありません。
部落差別についても同様です。
差別がある社会においては私たち自身もその差別を受ける可能性があります。
自分との重なりを見つけることで、人権を尊重する生き方を身につける学習、すなわち部落問題学習は決して他人事ではなく、むしろ自分のための学習として取り組んでいけるのではないでしょうか。
’19年には日本でラグビーのワールドカップが開催されます。
今より身近なスポーツとなるよう様々な普及活動が行われています。
ちなみに、今回の日本代表のキャプテンは奈良県出身の菊谷崇たかし選手です。
どうです?
何となくラグビーが少し身近なものになっていませんか?