2021年度 あいどるとおく

 

10月号 「何と呼べばいいでしょうか

 最近、「うちの嫁がさ・・・」や「おれの奥さんが・・・」と話しているところをテレビで見ました。なんだかえらそうな言い方のような感じがしました。では、自分は周りの人に「妻」のことを話すときに何と呼んでいるんだろうと、周りの人の会話を聞いてみました。「妻」「奥さん」「嫁」「家内」「カミさん」「女房」などたくさんの呼び方を耳にしました。どの呼び方がいいのか、あまりにも悩んだので、言葉の意味を調べてみました。
 「奥さん」は、他人の妻を敬って使う言葉で、公家や大名の妻が奥の方に住んでいたため、敬意をもって「奥方」と呼ばれていたことに由来しています。店の方が「奥様」と呼ぶことを、聞いたことがあるのではないでしょうか。「嫁」という言葉は、息子の配偶者という意味があります。対義語には「婿」という言葉があります。「家内」にも妻という意味がありますが、家の中にいる人という意味もあるそうです。「女房」とは昔は宮中で女性使用人の部屋を表したのが始まりで、そこから使用人のこともさすようになったそうです。意味を調べてみると、どれも私が使う呼称として間違っていることが分かりました。そして、女性が家の中にいるイメージがあることを感じました。
 しかし、結婚は男女だけのものではありません。結婚にも多様な形があります。2020年4月には奈良市や大和郡山市で、2021年4月には、天理市や生駒市でもパートナーシップ制度を導入している自治体もあります。私の友だちは結婚の相手のことを「連れ合い」と呼んでいました。意味は、行動をともにする人や配偶者、パートナーです。「連れ合い」や「パートナー」という呼び方でしたら男性、女性という意味がなくどちらでも使うことができるし、自分の結婚相手や、他人の結婚相手を呼ぶときにも使えます。
 呼び方について調べていくと、私自身が結婚について男女のものという固定概念があったのではと反省しました。そして私は、「妻」のことを一番尊重できる親から名付けられた名前で呼ぼうと思います。